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後遺障害について

- 首(頚部)の後遺障害(むち打ち損傷)

Residual Disability

首(頚部)の後遺障害(むち打ち損傷)

むちうち損傷とは

むちうち損傷は、衝撃により、頭や脊柱が鞭のようにしなることで生じる症状の総称です。
頸部に限らず、肩や、腰部などに症状が出ることもあります。
傷病名は、「頸椎捻挫」、「腰椎捻挫」、「外傷性頸部症候群」、「バレリュー症候群」、「頸部捻挫」、「腰部打撲」、「むちうち症」、「肩部打撲」などとなります。

原因と治療法

むちうち損傷は、次のように分類することができます。

捻挫型

むちうち症による、頸部や腰部の周辺部の局所的な痛みや一時的頭痛などは、衝撃によって通常時の可動域を超えた無理な動き(過伸展・過屈曲)を余儀なくされたために、当該箇所の軟部組織、靭帯、筋肉の損傷、炎症に伴うもの、というメカニズムで説明できます(捻挫型などと呼ばれます)。

わかりやすい例としては、足首を捻挫して腫れたときと、同じ原理です(足首をひねり、通常時の可動域を超えた無理な動きを余儀なくされ、炎症を起こして腫れる)。

首がしなることによる損傷の多くは捻挫型です。
急性期安静にしてから早期に日常生活に戻ることが一般的な治療法と言われています。

神経根型

局所の痛みのほか、手や足などに痺れが生じるようになる原因としては、鞭のようにしなった脊柱の中の末梢神経に伸びる神経根、または脊髄に対する圧迫等での損傷があり、手足のしびれや疼痛などが生じるというメカニズムで説明できます(神経根型、脊髄型などと呼ばれます)。

「脊柱」とは、いわゆる背骨のことです。
次の骨(椎体)が連なった柱で、脊柱の中には、脳からの神経の束(脊髄)があり、脊柱の椎間孔を通って手足等へと伸びる末梢神経に繋がっています。

  • 24個の椎骨(頸椎:7個[C1~C7]、胸椎:12個[T1~T7]、腰椎:5個[L1~L7])
  • 1個の仙骨(仙椎:5個[S1~S5])
  • 1個の尾骨(尾椎:3~5個)

医師による画像検査、神経学的検査(腱反射テスト、針筋電図、ジャクソンテスト、スパーリングテスト、ラセーグテスト、筋力テストなど)といった他覚的検査所見によって、一定の診断を得ることが可能です。

どうにも痛みが強い場合には、神経ブロック注射などの治療もありますが、最終的な対症療法という側面もあり、 医師の先生とよく相談しましょう。

バレリュー型

頭痛、頭重感、めまい、眼精疲労、耳鳴り、聴覚異常、疲労感、倦怠感などといった症状について、頸部の自律神経(特に交感神経系)の働きが乱れたことが原因と考えられる場合があります(バレ・リュ―型、バレー・リュー型、後部頸交感神経症候群などと呼ばれます)。

自律神経失調症状で、脊髄損傷などといった器質的な損傷があるわけではありません。

症状が長期化するようなケースでは、整形外科だけではなく、脳神経外科、精神科・心療内科などの受診がすすめられます。

どうにも痛みが強い場合には、神経ブロック注射などの治療もありますが、最終的な対症療法という側面もあり、 医師の先生とよく相談しましょう。

治療期間

症状が持続していたとしても、3か月程度(長くて6か月程度)で症状固定に至っているものと診断とされることが多いです。

むちうち後遺障害等級認定

障害の程度 後遺障害等級
神経症状 局部に頑固な神経症状を残すもの 12級
局部に神経症状を残すもの 14級

※「カウザルギー」、「RSD」の診断と検査結果があれば、 障害の程度に応じて、7級、9級または12級の後遺障害等級認定がされる場合があります。

むちうち後遺障害等級認定

神経症状12級は、事故による傷害と相当因果関係を有する症状が一貫して残存し、その存在が他覚的医学的に証明されることが要件とされています。

神経症状14級は、事故による傷害と相当因果関係を有する症状が一貫して残存し、その存在が他覚的医学的に説明できることが要件とされています。

すなわち、この12級と14級の違いは、症状の原因が医学的に証明できているというレベルか、説明可能と言えるレベルにとどまるか、という違いです(医学的に説明できない場合は非該当となります)。
むちうちに限らずですが、このように、局部の神経症状の12級か14級か非該当かの最も重要な要素は「他覚的所見」の有無と程度です。
わかりやすい例として、「腰椎圧迫骨折後の当該腰部の疼痛」、「骨折後の不全癒合が残る部位の疼痛」、「神経圧迫箇所の神経支配域の疼痛」などであれば、12級と認定されやすい傾向があるのですが、むちうち損傷の多くの場合は、画像をはじめとする他覚的所見がないことも多くあります。

なお、椎間板ヘルニアの存在が問題になることも多くありますが、椎間板ヘルニアは成人の方の多くが年齢とともになりうるものです。外傷性椎間板ヘルニアについては、早期の画像検査によって、外力による局所的なもので、輝度変化等によって新鮮な負傷であることがわかるものである、などの診断が重要となります。期間が経過すればするほど、新鮮なものか、事故以前からある古いもの(陳旧性のもの)か、事故によるものか、などの判別が難しくなっていき、証明が困難となっていきますので、注意が必要です。

このように、むちうち損傷について、他覚的には、医師による画像検査、神経学的検査(腱反射テスト、針筋電図、ジャクソンテスト、スパーリングテスト、ラセーグテスト、筋力テストなど)といった検査をし、画像と神経支配域症状との整合性や強弱などを判断する必要があります。

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