四肢麻痺・脊髄損傷
肢麻痺・脊髄損傷とは
【麻痺の範囲】 | |
四肢麻痺 | 両上下肢の麻痺(=両手足[左右両方の腕、脚]の麻痺) |
片麻痺 | 片側上下肢の麻痺(=右手足の麻痺/左手足の麻痺) |
単麻痺 | 一肢のみの麻痺(=右手の麻痺/右足の麻痺/左手の麻痺/左足の麻痺) |
対麻痺 | 両上肢又は両下肢の麻痺(=両手の麻痺/両足の麻痺) |
【麻痺の程度】 | |
高度麻痺 | 運動性・支持性がほとんど失われ、基本動作ができないもの (ex.完全硬直、自動運動不可[=自らの意思で動かせない]、など) |
中等度麻痺 | 運動性・支持性が相当程度失われ、基本動作にかなりの制限があるもの (ex.上肢について、文字が書けない、500gのものを持ち上げることができない、下肢について、杖や硬性装具なしには歩行が困難、など) |
軽度麻痺 | 運動性・支持性が多少失われ、基本動作の呼応知性および速度が相当程度損なわれているもの (ex.上肢について、文字を書けるが困難が伴う、下肢について、独歩可能だが遅い、転倒しやすい、など) |
後遺障害等級は、脳損傷に由来する麻痺と、脊髄損傷に由来する麻痺とについて、それぞれ麻痺の範囲と程度に応じて、定められています。
後遺障害等級認定のためには、身体的所見のほか、MRI、CT等画像検査による脳損傷、脊髄損傷の画像結果が必要となります。
特に四肢麻痺等の後遺障害であることで争点となりやすい損害項目(法的相場よりも低額な提示がされやすい損害項目等)としては、例えば、次のようなものがあります。
- 逸失利益
- 付添介護費用(施設費用やヘルパーなどの職業人介護費用/近親者介護費用。将来分含む)
- 慰謝料(入通院慰謝料、後遺障害慰謝料)
- 近親者固有の慰謝料
- 自宅改造費(介護用ベッド等将来分含む)
- 介護用車両の購入費、改造費(将来分含む)
- 介護雑費(カテーテル、おむつなど将来分含む)
- その他
脳損傷に由来する麻痺の後遺障害等級
脳の損傷に由来する麻痺として、通常、対麻痺が生じることはありません。
脳損傷による身体性機能障害が次のものについて後遺障害等級認定されます。
- 「生命維持に必要な身の回りの動作について、常に他人の介護を要するもの」は1級(ex.高度の四肢麻痺)
- 「生命維持に必要な身の回りの動作について、随時介護を要するもの」は2級(ex.高度の片麻痺)
- 「生命維持に必要な身の回りの動作は可能であるが、労務に服することができないもの」は3級(ex.中等度の四肢麻痺)
- 「きわめて軽易な労務のほか服することができないもの」は5級(ex.中等度の片麻痺)
- 「軽易な労務以外には服することができないもの」は7級(ex.中等度の単麻痺)
- 「通常の労務に服することはできるが、社会通念上、その就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの」は9級(ex.軽度の単麻痺)
- 「通常の労務に服することはできるが、多少の障害を残すもの」は12級(ex.軽微な随意運動の障害又は軽微な筋緊張の亢進が認められるもの、運動障害を伴わないものの、感覚障害が概ね一上肢又は一下肢の全域にわたって認められるもの、など)
麻痺の範囲と程度に応じて表にすると、次のようになります。
【麻痺の範囲】 | 【麻痺の程度】 | 【後遺障害等級】 |
四肢麻痺 | 高度の四肢麻痺 | 要介護1級 |
中等度の四肢麻痺で、食事・入浴・用便・更衣等に常時介護を要するもの | 要介護1級 | |
中等度の四肢麻痺で、食事・入浴・用便・更衣等に随時介護を要するもの | 要介護2級 | |
中等度の四肢麻痺 | 3級 | |
軽度の四肢麻痺 | 5級 | |
片麻痺 | 高度の片麻痺で、食事・入浴・用便・更衣等に常時介護を要するもの | 要介護1級 |
高度の片麻痺 | 要介護2級 | |
中等度の片麻痺 | 5級 | |
軽度の片麻痺 | 7級 | |
単麻痺 | 高度の単麻痺 | 5級 |
中等度の単麻痺 | 7級 | |
軽度の単麻痺 | 9級 | |
その他の脳損傷に伴う麻痺 | 例) 軽微な随意運動の障害 軽微な筋緊張の亢進 一上肢又は一下肢の全域にわたる感覚障害等 |
12級 |
脊髄損傷に由来する麻痺
次の脊髄症状に応じて、後遺障害等級認定されます。
- 「生命維持に必要な身の回りの動作について、常に他人の介護を要するもの」は1級(ex.高度の対麻痺)
- 「生命維持に必要な身の回りの動作について、随時介護を要するもの」は2級(ex.中等度の四肢麻痺)
- 「生命維持に必要な身の回りの動作は可能であるが、労務に服することができないもの」は3級(ex.軽度の四肢麻痺)
- 「きわめて軽易な労務のほか服することができないもの」は5級(ex.軽度の対麻痺)
- 「軽易な労務以外には服することができないもの」は7級(ex.一下肢の中等度の単麻痺)
- 「通常の労務に服することはできるが、社会通念上、その就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの」は9級(ex.一下肢の軽度の単麻痺)
- 「通常の労務に服することはできるが、多少の障害を残すもの」は12級(ex.軽微な筋緊張の亢進が認められるもの、運動障害を伴わないものの、感覚障害が概ね一下肢にわたって認められるもの、など)
麻痺の範囲と程度に応じて表にすると、次のようになります。
【麻痺の範囲】 | 【麻痺の程度】 | 【後遺障害等級】 |
四肢麻痺 | 高度の四肢麻痺 | 要介護1級 |
中等度の四肢麻痺で、食事・入浴・用便・更衣等に常時介護を要するもの | 要介護1級 | |
中等度の四肢麻痺 | 要介護2級 | |
軽度の四肢麻痺で、食事・入浴・用便・更衣等に随時介護を要するもの | 要介護2級 | |
軽度の四肢麻痺 | 3級 | |
対麻痺 | 高度の対麻痺 | 要介護1級 |
中程度の対麻痺で、食事・入浴・用便・更衣等に常時介護を要するもの | 要介護1級 | |
中程度の対麻痺で、食事・入浴・用便・更衣等に随時介護を要するもの | 要介護2級 | |
中等度の対麻痺 | 3級 | |
軽度の対麻痺 | 5級 | |
片麻痺 | 高度の片麻痺で、食事・入浴・用便・更衣等に常時介護を要するもの | 要介護1級 |
単麻痺 | 一下肢の高度の単麻痺 | 5級 |
一下肢の中等度の単麻痺 | 7級 | |
一下肢の軽度の単麻痺 | 9級 | |
例) 軽微な筋緊張の亢進 一下肢にわたる感覚障害等 |
12級 |
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