交通事故
2021/02/24
自動車保険について⑤(弁護士費用補償特約詳細)
今回は、自動車保険の弁護士費用(補償)特約について、くわしくご説明します。
自動車保険の弁護士費用(補償)特約
どんな場合に使えるの?
契約されている保険のオプションや内容次第ですが、被保険自動車に乗っている場合だけでなく、ほかの自動車に乗っている際に事故にあった場合や、歩行中に自動車事故にあった場合などにも使えるものが多くあります。
自分名義の保険以外の保険は使えるの?
事故にあわれた際には、ご自身の契約している自動車保険のほか、次の保険を使用できる可能性があります。
- 事故の際に乗っていた車の保険
※例1:社用車運転中に事故にあい、その社用車に付いている自動車保険を使用するというケース
※例2:友人の車の助手席に乗せてもらってドライブ中に事故にあい、その友人車に付いている自動車保険を使用するというケース - ご家族の保険
※例1:妻が、妻使用車を運転中に事故にあい、夫の自動車保険を使用するというケース
※例2:一人暮らしの大学生が歩行中に交通事故にあい、実家に住む親の自動車保険を使用するというケース
どの程度補償されるの?
多くの自動車保険の弁護士費用特約の補償上限額は300万円となっています。
特約を付けた方が良いの?
完全なもらい事故、被害事故の場合(つまり過失0%の場合)、相手に賠償金を支払ってもらおうとしても、ご自身の契約されている保険会社は対応しません。そのような場合には、ご自身で加害者側と話をしていかなければならないことになります。
また、加害者側との交渉は、時間的にも精神的にも負担を強いられます。加害者側保険会社との交渉は、専門知識も必要です。
このような負担を避けたいときには弁護士に依頼することとなり、その弁護士費用の支払いに備えておきたい方は、特約をつけておいた方がよいでしょう。
ただし、実質的に一世帯のご家族の場合、ご家族みんながひとつの特約を使用できることがあることは、上記のとおりです。
補償上限300万円について、一般に弁護士費用は賠償金額の数%~十数%程度ですので、弁護士費用が金300万円を超える場合というのは、例えば、長期治療が必要で、争点も多い重篤事故など、賠償金額が高額となる場合です。
- このような重篤事故などで、弁護士費用が金300万円を超えてしまうようなリスクにも備えておきたい、とお考えの方は、ご家族一世帯で複数の弁護士費用特約をつけてもよいでしょう。
- そんなリスクにまで備える必要はなし、とお考えの方は、弁護士費用特約はご家族一世帯にひとつ、という程度でよいでしょう。
- なお、実際に重篤事故にあわれた際には、特約を付けていても付けていなくても、賠償金額について数千万円単位で差異が生じることも多いので、弁護士対応をおすすめします。
その他の弁護士費用保険
上記の自動車保険のほか、数は少ないですが、弁護士費用補償条項のある火災保険があり、その火災保険で事案対応できるケースもあります。
さらに、離婚、遺産相続や賃貸借契約などの、より普遍的な日常生活における法的トラブルについて対応できる弁護士費用補償保険もあります。プリベント少額短期保険「MIKATA」などがこれに当たります。
さいごに
補償内容はご契約内容次第ですので、ご自身の保険(約款)がどのような内容になっているのか、いま一度確認されてみてはいかがでしょうか。
保険料を支払っていても、どのような場合に、誰が保険を使用できるのか、意外と知らないことがあるかもしれません。また、必要ないと思われるオプションの保険料を支払っていることもあるかもしれません。逆にこれは付けておきたいと思われるオプションもあるかもしれません。
なお、実際に事故トラブルに巻き込まれた場合には、弁護士費用や、何か保険が使えないかどうかを含めて、弁護士にまずは相談だけでもしてみるというのもよいでしょう。
以上、ご参考になれば幸いです。
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