交通事故
2017/11/02
交通事故の被害者請求と事前認定|弁護士が解説
交通事故で後遺障害が残ったら、後遺障害の等級認定を受けなければなりません。その方法として、被害者請求と事前認定の2種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。そこで、どちらがどういった手続きであり、どちらの方法が被害者にとってより有利になるのか、知っておきましょう。
交通事故の被害者請求とは?
被害者請求とは、交通事故の被害者本人が、加害者の自賠責保険または自賠責共済(以下「自賠責」といいます)に対し、後遺障害の等級認定を行う方法です。自動車損害賠償保障法16条に根拠規定があります。
被害者請求をするときには、被害者が必要な書類や検査資料等を集めて、加害者の自賠責に保険金の請求を行います。
その後、加害者の自賠責が調査を行い、被害者に対して認定結果を通知します。
後遺障害が認められた場合には、認定後、速やかに自賠責から保険金が支払われます。
被害者請求のメリットとデメリット
被害者請求のメリットは、被害者自身が手続きを行うことができるので、手続きの透明性が保たれることです。被害者が、医師に依頼して意見書を作成してもらい、添付資料として提出することなども可能です。
被害者請求のデメリットは、面倒なことです。必要書類の種類も多く、被害者本人がすべて集めないといけませんし、作成が必要なものもあります。また、病院から検査資料や診療報酬明細書を取り寄せるときに費用がかかってしまうことがあるのもデメリットの1つです。
交通事故の事前認定とは?
事前認定とは、加害者の任意加入保険会社が、自賠責に対して後遺障害等級認定を行う方法です。
事前認定をする場合、被害者は「後遺障害診断書」を医師に作成してもらって相手の任意保険会社に送ると、相手の任意保険会社が残りの書類をそろえて手続きを行います。
認定結果は、相手の任意保険会社を通じて被害者に告げられることとなります。
事前認定のメリットとデメリット
事前認定のメリットは、手間がかからないことです。後遺障害診断書さえ相手の保険会社に渡してしまったら、被害者はあとは何もしないで待っているだけで結果が通知されます。
事前認定のデメリットは、相手の任意加保険会社が手続を行う点にあります。相手の任意加保険会社は、後遺障害が認定されるとより多くの保険金を支払う立場にあるため、加害者の任意保険会社がお抱えの医師に依頼して、被害者に不利な意見書を作成してもらい資料として提出するということも実際にありました。
被害者請求や事前認定のご相談は弁護士法人桑原法律事務所へ
被害者請求を行うときには、被害者側も、後遺障害等級認定の制度について知識を持ったうえで、上手に活用する必要があります。そうでないと、単に面倒なだけで終わってしまいます。
交通事故の被害者ご自身には、後遺障害についての知識やノウハウなどがないことが普通です。日頃から交通事故事件に取り組んでいる弁護士であれば、医学的な知識もあり手続きにも精通しているため、スムーズかつ的確に等級認定を受けることができます。
当事務所は、後遺障害認定にも積極的に取り組んでおります。これから後遺障害の等級認定をお考えの方は、まずはお気軽にご相談ください。交通事故のご相談は、無料相談(初回30分)を承っております。