交通事故
2021/02/05
交通事故発生直後の対応の流れ
自動車を運転していて交通事故を起こしてしまった場合、どのような行動をとればよいのでしょうか。
ここでは、交通事故が発生した直後の対応の流れについて解説します。
事故が発生したら・・・
①負傷者の救護
②二次被害発生の防止
③警察への連絡
④保険会社等への連絡
⑤上記以外に被害者が行うべき対応
①負傷者の救護
交通事故により負傷者がいる場合には、その救護をする義務があります(道路交通法72条1項)。負傷者を安全な場所に移動させ、救急車を手配するなどの必要に応じた救護活動を行いましょう。
また、救護義務違反は、「5年以下の懲役または50万円以下の罰金」に処せられることがあり、加害運転者が救護義務を怠った場合については、「10年以下の懲役又は100万円以下の罰金」という法定刑が定められています。
②二次被害発生の防止
後続車により二次被害が発生する恐れがある場合には、事故車両を安全な場所に移動させ、ハザードランプを点灯させたり、発煙筒や停止表示器材を使用したりするなど、必要に応じた措置を講じましょう。
③交通事故後の警察とのやりとり
交通事故が発生した場合、車両運転者には警察官への報告義務が生じます(道路交通法72条1項)。
この報告義務は、けが人のない物損事故であっても生じます。報告義務違反には罰則も設けられています(道路交通法119条第1項10号)。
比較的軽微な物損事故である場合、当事者同士で連絡先を交換してそのまま事故現場を離れるようなケースがあることを耳にします。しかし、報告義務違反は、刑罰を伴う罰則が定められており、「3月以下の懲役または5万円以下の罰金」の刑に処せられる可能性があります。
警察とのやりとりについて
警察官に対しては、事故発生の日時・場所・けがや物損の程度等の説明をします。
報告を受けた警察官は、事故報告書や実況見分調書を作成します。これらの書類は、交通事故の態様を知る上でもっとも基本的な資料になり、交通事故の存在や過失割合の判断に大きな影響を与えます。
もし交通事故の報告をせずにいると、損害があっても保険会社の保険金でカバーできない場合もあり得ますし、後々過失割合(どちらにどれくらいの落ち度があるのか)についての重要な証拠がなくなるばかりか、交通事故の存在そのものの証明にも困難が生じてきます。
そのため、軽微な物損事故だからといって、事故当事者間での話し合いで終わらせるのではなく、必ず警察官に報告するようにしましょう。
警察官には自分自身できちんと説明しましょう
また、面倒だからと警察官への説明を相手方任せにせず、自分の記憶している事故状況をきちんと説明しましょう。
事故によるケガで、警察官への説明ができなかった場合、相手方の主張に基づいた調書が作成され、後日確認のうえ、署名を求められることがあります。
場合によっては、自分の記憶と異なる、一方的に不利な記載となっている可能性がありますので、記載された状況を十分に確認したうえで署名・押印するようにしましょう。
なお、警察官は過失割合についての判断はしません。警察官作成の事故報告書や実況見分調書などをもとに、保険会社や弁護士、最終的に裁判になれば裁判官が判断することになります。
④被害者の方が加害者の方に対してするべき対応の流れ
その場での示談交渉は、相手方の不当な要求を押しつけられる危険があったり、後に保険会社を通じた示談交渉を行うことになった際に、「話が違う」などとトラブルの元になったり、訴訟時にも不利な事情となり得たりと、多くのリスクがあり、おすすめできません。
誠意ある対応は必要ですが、加害者であっても、被害者の言われるままに行動すべき義務はないのです。下記⑤のとおり、すぐに保険会社に連絡をとり、示談交渉の対応を任せる方が無難でしょう。
⑤上記以外に被害者が行うべき対応の流れ
事故があった場合には、警察への連絡とともに、加入している任意保険会社に連絡を入れましょう。初期対応のアドバイスや相手方との対応をしてもらえます。
また、怪我を負った場合には、まずは病院で診断を受け、適切な治療を受けましょう。事故当日は何ともなくても、数日後に痛みが生じる場合も多いので、可能な限り早期の受診をおすすめします。
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